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(1) 社団と財団
医療法人には、医療法人社団と医療法人財団の2つの種類があります。
その違いは次の通りです。
① 医療法人社団(一般的な医療法人のほとんどがこの形態です)
複数の人が現金等を出資して設立する法人で、出資者は社員となり、
出資額に応じて出資持分(株式会社の株式に近い)を有し、退社、解散
に際し、持分に応じて払戻し、分配を受けることができます。
(注1)平成19年4月以降設立の医療法人は、持分に応じた払い戻しを受ける
ことは出来ません。(当初、出資した金額が限度です。)
◎ 人が集まり、医療法人を設立するのことを社団と言います。
◎ 社員とは、従業員としての社員ではなく、株式会社でいう株主に近い
考え方になります。
② 医療法人財団
個人又は法人が無償で寄附した財産に基づいて設立される法人で、
財産の提供者(寄附者)に対しても持分を認めず、解散したときは理事会
で残余財産の処分方法を決め、知事の認可を受けて処分します。
③ 定款と寄附行為
医療法人社団は「定款」で、医療法人財団は「寄附行為」で、それぞれ
基本事項を定めています。
(2) 一人医師医療法人
医療法の改正(昭和60年)前の医療法人(病院又は常勤の医師が3人
以上の診療所を開設している法人)に対し、法改正後の常勤の医師が一人
又は二人の診療所を開設している法人を、いわゆる「一人医師医療法人」と
言いますが、医療法上は設立、運営、権利及び義務に関して何ら区別はあ
りません。
(3) 医療法人の種類とその相違点一覧表
社団 | 財団 | ||
診療施設の規模 | 1病 院(20ベット以上) 2診療所(0〜19ベット)ただし、常時医師又は歯科医師が勤務するものであること。 3介護老人保健施設 | ||
設立者 | 個人 | 個人又は法人(ただし、財産を寄附する者に限る。) | |
財産を出す形、及びその権利 | 出資した者は社員出資となり、額に応じて出資持分を有する。 ※19年4月以降設立の医療法人の出資者は、当初出資額が限度の出資持分を有します。 | 寄附行為であるから、設立者は、設立後法人に対し一切の請求権はない。 | |
構成機関 | 執行機関 | 理事(理事会) 社員総会で選出 原則として3名以上 | 理事(理事会) 評議員会又は理事会で選任 原則として3名以上 |
議決機関 | 社員総会 | 評議員会 | |
監査機関 | 監事 社員総会で選任、1名以上 | 監事 評議員会または理事会で選任、1名以上 | |
会議の定足数・議決数 | 特別重要事項(解散・合併・定款変更など)を除いては社員総会、理事会、評議員会とも過半数でよい。 | ||
解散時の残余財産の処分方法 | 出資持分類に応じ出資社員へ返還する。 (注1) | 理事会で処分方法を定め知事の認可を受けて処分する。 | |
診療報酬の制限 | 特にない(健保の指定を受けないことも可)。 | ||
従来の設立例 | 多人数の者が出資しあって施設を作ろうとするとき。 | ①会社など法人設立の施設を独立法人に分離させるとき。 ②現在、事実上人格なき社団で、 かつ、役員間に同族性のない場合で、正式に法人格を得たとき。 |
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